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お知らせ
2025.02.03
体幹と脊柱の機能障害について
今回は、体幹の機能障害と、脊柱の機能障害の違いについて記載します。身体障害者手帳の申請に関しては、両者は区別されていませんが、障害年金の請求に関しては、両者は一応、区別されています。
まず、認定基準は
1級 体幹の機能に、座っていることができない程度、又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの 病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの 病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
障害手当金 脊柱の機能に障害を残すもの
となっています。
体幹の機能障害とは、高度体幹麻痺を後遺した脊髄性小児麻痺、脳性麻痺等によって生じるものと定義されています。
1級 腰掛、正座、あぐら、横すわりのいずれもができないもの 臥位または座位から自力のみで立ち上がれず、他人、柱、杖、その他の器物の介護または補助により初めて立ち上がることができるもの
2級 室内においては、杖、松葉杖、その他の補助用具を必要とせず、起立移動が可能であるが、野外ではこれらの補助用具の助けを借りる必要があるもの
となっています。
脊柱の機能障害
脊柱の機能障害とは、脊柱の脱臼骨折又は強直性脊椎炎等によって生じるものと定義されており、荷重機能障害(脊柱の支持機能の障害)と運動機能障害があります。頸椎や胸腰椎に脊柱固定術が行われ、可動域が、制限された場合も該当します。
2級 病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものの評価は
(ア) ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)
(イ) 靴下を履く(どのような姿勢でもよい)
(ウ) 座る(正座、横すわり、あぐら、脚なげ出し)
(エ) 深くおじぎ(最敬礼)をする
(オ) 立ち上がる
の動作が、日常生活における動作が一人でできるが非常に不自由な場合又はこれに近い状態をいう。
3級 脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限されたもの 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
障害手当金 脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の他動可動域が参考可動域の4分の3以下に制限されている程度のものや、頭蓋・上位頸椎間の著しい異常可動性を生じたもの 脊柱の機能に障害を残すもの
となっています。
参照 日本年金機構のホームページより
どちらの障害の場合も、診断書作成におけるポイントは変わりません。
日常生活における動作について 以下の動作にどのような支障があるか医師に伝えましょう。
- ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)
- 靴下をはく(どのような姿勢でもよい)
- 座る(正座、横すわり、あぐら、脚なげ出し) 床に座る状態をいいます。
- 深くおじぎ(最敬礼)をする
- 立ち上がる 床から立ち上がる事をいいます。
「一人でうまくできる」「一人でできてもやや不自由」「一人でできるが非常に不自由」「一人で全くできない」のいずれかの区分で評価しますが、「一人でできてもやや不自由」という区分と「一人でできるが非常に不自由」という区分には、明確な基準はありません。本人のアピールと医師の判断になります。
日常生活における動作の状態は、杖や補助具などを使用しない状態で、評価することになっています。歩行の状態に関しては、平行機能の項目に、キチンと記載してもらいましょう。
脊柱可動域について 診断書⑫脊柱の他動可動域に記載してもらいます。
脊柱の運動機能は、基本的には、前屈・後屈運動のみの測定で可とされますが、脊柱全体の運動機能をみる必要がある場合は、回旋・側屈を測定して認定することとされています。
また、単に脊柱の運動障害のみでなく、随伴する神経系統の障害を含め、総合的に認定すること、とされています。
なお、3級6号の「脊柱の機能に著しい障害を残すもの」に該当すると、他の障害が3級7号以上であれば、併合して2級となる場合があります。脊柱の可動域で該当の可能性がある方は、検討してみましょう。