NEWS

お知らせ

2025.06.16

労災について

今回は労災保険について記載します。労災保険とは、労働者災害補償保険法に基づいて、労働災害に遭った労働者を救済するための保険制度です。事業主以外の、ほぼ全ての労働者が適用の対象となります。労災保険給付の対象となる労働災害には、「業務災害」と「通勤災害」の2種類があります。業務上の事由を原因として発生した負傷・疾病を、業務災害といいます。
一方、通勤中に事故にあった場合は、通勤災害といいます。業務災害の場合は「療養補償給付」、通勤災害の場合は「療養給付」となります。(補償)は業務災害の場合です。障害年金と労災保険は、両方受給でき、労災保険から支給される給付が減額調整されます。

①   療養(補償)給付
治療費や入院費などの実費相当額が補償されます。
まず、労災と認定されるには、医療機関を受診する事が必要です。医療機関では労災である旨申し出ましょう。必要な様式を教えてもらえます。

② 休業(補償)給付
労災による負傷・疾病などの療養のために仕事を休んだ場合、休業4日目以降、平均賃金の計60%(特別支給金20%もあわせると80%)が補償されます。なお、休業3日目までについては、使用者に対して、通勤災害を除き、休業補償として平均賃金の60%を請求できます(労働基準法第76条)。

③ 障害(補償)給付
労災による負傷・疾病が完治せずに症状固定した場合、認定される障害等級に応じて補償金が支給されます。

④ 遺族(補償)給付 遺族(補償)年金前払一時金
被災労働者が死亡した場合、遺族に対して生活保障の目的で給付されます。

⑤ 葬祭料・葬祭給付
葬祭を行った者に対し、315,000円+給付基礎日額の30日分又は給付基礎日額の60日分のいずれか高い方が支給されます。

⑥ 傷病(補償)等給付
傷病等級第3級以上に該当する重篤な負傷や疾病が、1年6ヶ月以上治らない被災労働者に対して給付されます。

⑦ 介護(補償)給付
一定の障害により傷病(補償)年金を受給し、かつ、現に介護を受けている場合に、月を単位として支給されます。
申請の窓口は、労働基準監督署です。通常は職場を通して申請します。職場の協力が得られない場合でも、ご自身で申請する事は可能です。その場合、監督署から職場に問い合わせがあります。
 
業務災害として労災認定されるための必要な要件は、「業務遂行性」と「業務起因性」の2点です。
①業務遂行性
負傷や疾病などが、使用者の指揮命令下で業務に従事している状態で発生したことが必要です。通常仕事をしている職場ではもちろんのこと、出張先等でも、勤務時間中に生じた負傷・疾病などであれば、基本的には業務遂行性が認められます。また、任意参加の職場のレクレーション等で怪我をした場合、業務起因性は認められません。

②業務起因性
業務と、労働者の負傷・疾病などの間に合理的な因果関係があることが必要です。例えば、職場で殴られたとしても、私怨によるものなら、業務起因性は認められません。一方、仕事上の注意をした事を坂恨みされ、殴られた場合は、業務起因性が認められます。
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/rousai_hoken/rousaikyuuhushurui.html

仕事中に怪我をした、事故にあったという場合のみではなく、精神障害や脳・心臓疾患を発症した場合も、業務起因性が認められれば、労災と認定されます。例えば心筋梗塞を発症したとします。労災として認定されるかは、職場で発症したかどうかではなく、長時間労働等の身体のかかる負荷の高い状態があったかどうか等業務との因果関係により判断される事になります。
 

遠方(全国)でも、対応いたします。
会計人コースの私の独立開業日誌に登壇しました
https://kaikeijin-course.jp/2024/12/12/66740/
X(旧)Twitterでも情報発信しております。
https://twitter.com/9LoYaKjp2SmJm3t